他の相続人にケガを させた者の相続させたことが、殺意にもとづくものであり、
殺人未遂罪で起訴されて実刑に処せられたときは、長兄は相続失格者になり、相続権を失います。
しかし、父が長兄をゆるすと言った場合、相続権を回復します。
また、長兄は母の相続の関係でも、同順位の相続人である二兄を殺そうとしたことになりますので、
母の相続についても相続失格者になります。
生命侵害行為と相続失格事由
民法は、法律上半然に相続人から相続権を剥奪する制度として、相続失格事由を定めています。
被相続人または自分より先順位もしくは自分と同順位相続人を殺害するか、
または殺害しようとしたために刑に処せられた場合は、相続失格事由のⅠつに該当します。
この場合の相続人の行為は殺意がある場合にかぎられます。殺意のない場合、
すなわち傷害罪や傷害致死罪に該当するにすぎない場合は、相続失格になりません。
また、刑に処せられた場合というのは、実刑に処せられた場合にかぎり、
刑の執行が猶予された場合には相続失格者として扱われません。
ご質問の長兄に殺意があり、殺人未遂罪により起訴され実刑に処せられた場合にかぎり、
長兄は欠格者となり、父が死亡した場合の相続において相続人から排除されます。
という意味にすぎず、いったんある被相続人との関係で相続失格事由がありその被相続人の
相続から排除される以上、その相続人から相続財産を譲り受げた第三者は取得特効や善意取得
による保護をうげる場合があることは別として、何の権利も取得でぎません。
その意味では、相続失格の効果は第三者に及ぶことになります。
また、相続失格の効果は一身専属的と考えられていますから、相続失格者の直系卑属の
代襲相続を妨げることはありません。ご質問の場合で長兄が欠格者に該当する場合においても、
被相続人の孫になる長兄の子は代襲相続することがでぎます。
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